NEW: ワークショップリポート(2023年開催)

ピンポイント絵本コンペご参加のみなさまへ


いつもピンポイント絵本コンペにご参加いただきありがとうございます。毎年夏に開催しているワークショップは、コンペの審査員が参加者の皆さんへ直接フィードバックを行う貴重な機会となっております。ここ数年ワークショップへの参加希望が増えており、せっかくお申し込みいただいてもお席を用意できないことも多くご不便をおかけしております。限られた時間のなかで一対一で審査員からコメントをいただくので、定員を増やすこともできませんが、ここではその様子を少しお伝えできたらとレポートに残しました。

審査員は今年度が最後となる千葉美香さん(偕成社編集者)のワークショップ。話を引き出すのが上手な千葉さん。どういう想いがあって絵本を作っているのか、ひとりひとり丁寧に問いかけてくれます。

はじめに絵本の帯についての説明がありました。新刊絵本に巻かれているのを書店で見かけることも多くなりましたが、あの横に(たまに縦型のものもありますが)巻かれている細長い帯がどんな役割を果たしているのか、考えたことがありますか?

見本を参考にしながら具体的にどんな言葉を帯に書いたら良いのか、自分の絵本にも帯をつけてみよう!ということでその場で考えてもらいました。改めて「自分の絵本で表現したいことは何か」と創作の原点に立ち、根本的な問いに向き合うのは大事なことです。苦戦している人もいれば、いくつもアイデアが飛び出す人もいます。毎年、参加者のレベルはバラバラで、初めてこういったワークショップに参加する人もいれば、何度も受講しているベテランもいます。

榎さん(あかね書房編集者)のワークショップでは、榎さんが参加作品をず1点ずつ丁寧に隅から隅まで講評していきました。「どう考えたのか」「どういう描き方をしているのか」「これ以外にもアイデアはあったのか」参加者への質問を挟みながらの講評には緊張感が漂います。どの作品にもまず榎さんが面白いと思った点、他の作品にない魅力を見つけてくれるので、参加者は自分たちのまだ知らない持ち味が分かったり、新しい発見があったりしたのではないでしょうか。自分の欠点を意識されている方は多くても、客観的に自分の作品の良さを理解できている方は少ないと思います。欠点についても、すぐに反映できるような具体的なアドバイスもありましたので、受講された方はぜひ次回に活かしてください。

千葉さんと榎さんの絵本講評ワークショップは対面とオンラインの両方での実施でした。去年まではオンラインの参加者が多かったのですが、今年は対面参加が多く会場も賑やかでした。休憩中も参加者同士で仲良く話されている姿が印象的でした。

高橋さん(グラフィックデザイナー)の絵本レクチャーのワークショップでは、デザインの仕事についての基本的な話から始めました。みなさんは絵本のデザインと言ったら何を思い浮かべますか?ワークショップ開催の準備にあたって、高橋さんのデザイン事務所タカハシデザイン室を訪れ、いろいろと取材をさせていただきました。これまでに高橋さんが手掛けられた本の説明していただきながら、絵本のデザインにおいて必要な要素を確認していきます。デザイナーは絵と文章の素材をもとに絵本の最終形態を作りあげていきます。どのように読者に届けたいのか、作家と編集者の話を聞きながら絵本に込められた想いを丁寧に聞き出すのが高橋流仕事術。またレクチャーではデザインの説明や応募作品へのコメントだけでなく、実技課題を用意しました。(今回は時間が足りなくなってしまったので後日提出の宿題としました)課題では3つの異なるタイプの文章を用意し、3つの中から自分で選んだ文章をイメージ画として描くこと、また書籍にする際の表紙のデザインを考えてもらいました。それぞれの参加者の課題発表はオンラインで行いました。参加者からは好評だったこの課題。後日、高橋さんからもそれぞれの提出物についてコメントをもらいました。「想いを具体的な形にする」それがデザイナーの仕事。この絵本をデザインしてみたい!と思わせる、魅力ある作品をお待ちしています。

マコイさんの課題作品(イメージ画)

まつおまなぶさんの課題作品(表紙)

木立和さんの課題作品(イメージ画)

来年度ピンポイント絵本コンペは第25回を迎えます。皆さまのご参加お待ちしております。

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