最優秀賞
『しろくまのくる夜』 絵・伊藤恭子 文・高橋公仁
僕は水門の番人をしている。どんな時も気がぬけない仕事なので外出はできない。
僕は空いた時間を使って、動物たちから話を聞いて僕の住む国の地図をつくっている。
シロクマも他の動物たちと同じように地図づくりのために協力してくれている。
普通の動物たちは、情報を伝えるとすぐに姿を消してしまったが、シロクマは他の動物たちとは違ったつきあいをしてくれる。
満月の夜に、シロクマはスキーに乗って、ウォッカをもってやってくる。
僕がプレゼントした鈴のついた帽子をかぶって「りんりん」と響かせながら・・・。
画材 アクリル、パステル
優秀賞
『いちごドロボー』 宇都本真弓
いちごしかとらないネコドロボー。まだ成功したことがない。森で出会ったおっきなケーキは、いちごがいっぱい。動物たちが食べているのを木の影から覗く。お腹がいっぱいになって帰ってしまった動物たちの後には、いちご一粒ケーキが残った。チャンス!と飛びつくが・・・。
画材 アクリルガッシュ
『フーセンぼうや』 絵と文 かとうまふみ
ぼくは、フーセンが大好き。だからフーセンが手元にないときは、ぼくがフーセンになっちゃう。手を離したらフーセンのぼくが飛んでいっちゃった。待ってフーセン、フーセンのぼく・・・。
画材 アクリル、色鉛筆
入選
『歳月不待人』(さいげつは人を待たず) 絵と文 てんてん堂
刺繍ミシンを主に使用するアート表現を模索するユニット「てんてん堂」の作品。はいけい叔父上さまとサラリーマン奉公に出て一年のの暮らしぶり手紙仕立てに描く。サラリーマンの日常生活ををちょんまげ姿でさらりと見せ、大人のユーモアを漂わせる。
『ばかずきん』 絵と文 山西ゲンイチ
名作あかずきんちゃんのパロディ。
「ねえ、ばかずきん このパンとぶどう酒を病気のおばあさんに届けておくれ
「「はいはいはいは——–い」「返事は一回」「は———い」
かなり、とぼけたばかずきんちゃんだが、森で出会う動物たちに、返事はきっぱり。動物たちもたじたじ・・・。
何回読み返してもつい笑いがこぼれる。
画材 ペン、黒インク、マッキントッシュ
『ことばのサンプリング』 絵と文 米増由香
泳ぐ人はzzzzzz、
バスタブに浮かぶアヒルはプカプカプカプカ、
教会の鐘の音はリンゴーンリンゴーンと見開きごとに擬音が並ぶ。
絵は完全に単純な音にマッチ。
画材 アクリルガッシュ、ペン