ワークショップリポート 2017  木版画/銅版画/製本
レポート:stuff

木版画 講師:山口マオ

木版画のワークショップでは、それぞれの下絵をどういう版にするかの相談から始まります。
1枚の画を仕上げるのに、一色で刷る単色刷りと複数の色を使う多色刷りの方法があり、制作する版の数をあらかじめ決めなければなりません。
画風や表現の違いによって、先生が色々とアイデアを出していきます。
版の数が決まると、下絵を版木に写す作業に移ります。
ひとことで下絵を写すと言っても彫る場所を考えながらでないと、どの線を写せばよいのかうっかり間違えてしまいます。版の枚数が多ければそれだけ構成が複雑になるわけですから注意が必要です。
版を彫る作業はみなさん手慣れたもので、サクサクと軽快に進みました。今年は余裕もあって、時間内に仕上げることができました。
最後は刷りの作業ですが、仕上がりの色を頭の中でイメージしながらまずは先生がお手本を見せます。
刷る順番は、薄い色から濃い色へと重ねていきます。一回で思った通りの色にならない場合は数回重ねて刷ることもあります。
空気感のある作品に仕上がりました~
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銅版画 講師:水上多摩江

銅版画のワークショップでは、ドライポイントとエッチングの二種類の技法から選んでもらいます。ドライポイントは銅板を先端の鋭い金属で引っ掻き絵を描きます。
エッチングでは銅板をグランドと呼ばれる油膜でコーティングしてから、ニードルで引っ掻いて溝をつくり、酸性の液体で銅板を腐食させます。
各々のやり方で版を制作したら、刷る工程は同じです。きれいにした銅板にインクを詰めて、プレス機で印刷していきます。
途中、プレス機に挟みこむラシャとフェルトの枚数を変えたりしながら刷り具合を見比べていきます。銅版画の醍醐味はなんといっても化学反応のように、やってみなければわからないところにあります。
版とにらめっこをしていても、刷り上がりはなかなか予想できません。思い描いているのと違ったものが出来上がったりするのです。その偶然性が面白かったり、扱いにくかったり、振り回されながらなんとか納得のいくものができたときの達成感たら!
今回の参加者も大半が銅版画の経験者で、みんな楽しみながら自分のペースで制作を進めることができました。
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製本 講師:小井戸幸子

江戸時代中期、黄表紙(きびょうし)という庶民に人気の楽しい小説本のジャンルがありました。
黄色い紙の表紙で大きさはB6位、多くは再生紙使用。絵と文が自由にならび、大人の絵本やマンガのような本。内容は当時の世相や風刺や流行モノ。粋な男女や愉快な妖怪たちが登場人物として大活躍していました。
今回の製本は240年位前の絵本のご先祖、黄表紙のエスブリを学びつつ進めます。壁一面に貼られたさまざまサンプルを参考にしながら、小井戸さんの説明を聞きます。説明の後は、それぞれに基本はA5サイズの簡単な中綴じ紙表紙のソフトカバー製本(表紙は黄色い紙を用意)と和綴じ製本を行いました。どんな中身になるのかな、それはこれからのお楽しみ!です。
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